強迫性障害を治しました
成人患者の半数が低年齢で発生
長女は11歳で強迫性障害に
現在、小学6年生の長女が必要以上に繰り返し手を洗うようになったのは、去年の春のことでした。
いたずらざかりの弟とは違い、さすが女の子はきれい好きだなーと最初は私も気にかけていませんでしたが、すぐにそれが強迫観念による行動だと気がつきました。長女の行動は手洗いだけではなく、生活に関するあらゆるところに広がっていったのです。
朝の登校時にいってらっしゃいと送り出したその1分後、長女が急いで戻って来ます。「お母さん、ランドセルの中に算数の教科書ある?」普段から真面目で、自分のことは何でもきちんとする子だったため「忘れものをしたくない」という気持ちが強いのだなと思いました。
長女の混乱する顔を見て
しかし「早く早く! 早く見て!」と異常なほど焦りながら私に要求する姿は、いつもの様子とはまったく違っていました。
それからも連日、玄関を出てすぐに戻ってきては持ち物を確かめるという行動を繰り返しました。前日に済ませた宿題も、本当にやっただろうかと思い始めると分からなくなり、いくら私が「昨日確かに漢字ノートに2ページ分を書いていたわよ」と伝えても納得してくれません。
「ランドセルに入れるときに、よし、算数の教科書入れたぞ、とひとつひとつ確認しておけば二度手間じゃないでしょ〜」とわざと気軽な感じでアドバイスしたのですが、それからも長女は変わりませんでした。
「分かっているけれど、なぜかやめられない」と本人も自覚しているようで、そんな自分とどう向き合えばいいのか分からず、混乱している姿は見ているだけで辛かったです。
強迫性障害は潔癖症とは違う
強迫性障害は潔癖症とは異なります。潔癖症はきれいにしたいという思いのもと、清潔な環境を自ら作り出すという合理的な行動ですが、強迫性障害はその行動を無意味だと思いながらもやめられないのです。
日本では成人の40人に1人と言われ、成人患者の約半数は低年齢の時期に最初の症状が確認されているそうです。この事実を知って大変なショックを受けました。症状がどんどんエスカレートした場合には、普通の生活ができなくなる人もいるそうです。
薬物療法には頼りたくない
医学的には脳の神経伝達の機能異常だとも言われており、セロトニンという神経伝達物質の働きが関係して症状を引き起こしていると考えられています。病院では薬物療法と行動療法のふたつを行っているそうです。
投薬されるのはうつ病にも使用されている抗うつ薬。しかし、はっきり言ってそういったものを、まだ小学5年生の長女に飲ませたくはありません。成長期の体に、複数の薬がどれだけの影響を及ぼすかも分からないからです。
強迫性障害はたとえ完治できなくても、8割以上の人が回復しているとも聞きました。家族全員で話し合い「完全に治らなくてもいい、ただ長女自身が毎日の生活に不安なく、楽しく暮らせればそれでいい」と。
気長に付き合うこと
長女の行動について理解を深め、無理解な反応をとることがないよう夫と協力しながら、治すには、強迫性障害と気長に付き合っていこうと決心したのです。
それから1年がたち、今では登校直後に息せき切って戻ってくるということもなくなりました。来年は中学生となり、大きな環境の変化を迎えます。不安がないと言えばうそになりますが、絶対良くなると信じて困難を乗り越えた経験が、これからの支えになると感じています。
☆強迫性障害を治しました
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